“ある哲学者の脳”冷凍保存中、500年後の未来へ

2/16 05:04 掲載
“ある哲学者の脳”冷凍保存中、500年後の未来へ

ある中国人哲学者の脳が、未来の研究に向けて凍結されている。李沢厚は遺言の中で、自分の脳を500年にわたり保存し、その後解凍、研究に役立てて欲しいとしていた。

2021年11月、米コロラド州へ亡命中に91歳で死去した沢厚は、1954年に北京大学の哲学科を卒業し、世界中の学術機関で仕事をした中国史・文化の中の著名な学者で、その著作は1980年代の中国の改革開放の時代の一翼を担っていた。

沢厚の友人で著作本の編集者でもあったマ・クンリン氏によると、遺族らは非営利団体アルコー・ライフ・エクステンション・ファウンデーションにより本人が亡くなったその日に、脳を冷凍装置に入れたそうだ。

沢厚は生前、将来自身の脳が研究されることで、自分の沈降理論が証明されることを願っていたとされている。

ジャーナル・オブ・チャイニーズ・フィロソフィーによると、この理論は人間の特性を物理的および認知的ツールの使用を通して説明するもので、美的感覚に基づいた文化、超生物への見通しに繋がるものだという。

2010年、沢厚は中国のサザン・ピープル・ウィークリーのインタビューでこう語っていた。

「碑文はないが、私の脳は凍結されるだろう。300年か500年後に取り出される」
「妻と子供には言ってある。この方法で蘇りたいみたい人もいるようだが、生き返るのが可能だとは思っていない」
「私は文化がその脳に影響を与えるのかを証明したい。数百年が経って、自分の脳内に中国文化の残骸を見つけることが可能なのか、私の沈降理論を証明するためにするのだ」

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