高齢ドライバーの“逆走”防止に「データ活用を」

11/20 15:04 掲載
高齢ドライバーの“逆走”防止に「データ活用を」

「高速道路での高齢ドライバーによる逆走」を他人ごとにせず、「自分の家族にも起こりうること」だという意識を持つことを呼びかける「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトを実施しているNEXCO東日本は11月20日、ドライブレコーダーを使用した新しい運転支援サービス「ドライビング!」を展開する損害保険ジャパン日本興亜とのWEB対談「まさかの事故や高速道路の逆走防止にも。データ活用の運転チェックで家族を守る」を公開した。

自動車に係る事故やトラブル対応などを数多く担う損保業界。なかでも、高齢ドライバーによる自動車事故の割合は依然として高いのが現状だ。そこでこのたび、デジタル技術を用いた運転支援サービスをおこなっている損保ジャパン日本興亜に、開発に込められた思いや幅広い活用法など、高速道路での逆走防止につながる取り組みなどについて聞く対談コンテンツを公開した。

NEXCO東日本が10月に発表した調査では、65歳以上のドライバーの「車の運転に自信あり」との回答は、約半年前の2月発表時よりも5ポイント減少したものの、71%だった。また、損保ジャパン日本興亜が実施した調査においても、同様の調査結果が出ている。通常、年齢が上がるにつれ運転能力は衰えていくのが一般的だが、その現実と反比例し、運転に対する自信度は、加齢とともに上がるという結果となった。

損保ジャパン日本興亜の上月涼平氏は次のように語る。

「運転への自信と実際の運転能力とのギャップが、事故や危険運転を加速させているのではないかと考えております。そこで、誕生したのが、通信機能付きドライブレコーダーを活用した高齢ドライバーに向けた運転支援サービス『ドライビング!』です」
「高齢ドライバーの事故の割合は高く、かつ、60代以上の高齢ドライバーの割合は、数年以内に50%を超えると言われています。また、世の中では高齢ドライバーの免許返納を促進しようとする動きもありますが、地方部など車がないと生活ができない方は数多くいらっしゃいます。このように、免許を取り上げるのではなく、"可能な限り長く安全に運転をしたい"という高齢ドライバーの想いに寄り添えるサービスでありたいと考えます」

また、年齢や運転への自信にかかわらず、"自身の運転を客観的に把握する"ことが重要と考え、「ドライビング!」は、保険サービスだけに留まらない運転者への支援サービスで、ドライブレコーダーを活用。走行距離や時間、ブレーキやアクセル、ハンドリングなど運転に係るデータを総合的に記録し、可視化した運転診断レポートが作成されることで、客観的な分析が可能となる。

全国の高速道路では、年間約200件の逆走が発生。その64%が65歳以上のドライバーによるものというデータ(平成28〜30年)がある。家族みんなで逆走防止について話すきっかけとして、可視化した運転診断レポートの活用は有効かもしれない。

この点について、上月氏も「ドライブレコーダーが取得した運転診断レポートは、ご家族に共有できるので、ご家族の支えの中にこうしたデータやデジタル技術を活用していただくのが良いのではないでしょうか」と語り、NEXCO東日本も同様に、高齢ドライバーの運転を確認し、家族で安全運転について話し合うことの大切さを説いた。

そして、NEXCO東日本は「今後も高齢化する社会の問題解決に取り組まれている企業とのWEB対談企画から見えてくるヒントを社会に共有し、高齢ドライバーの高速道路における逆走をなくすため、『家族みんなで 無くそう逆走』プロジェクトを続けていきます」としている。

コメント

ニュースを読んだ感想を教えてね!

関連ニュース(社会経済)