生きたゴキブリをアプリ操作、米研究者が開発したキットに注目集まる。

6/16 17:44 掲載
生きたゴキブリをアプリ操作、米研究者が開発したキットに注目集まる。

先日、英国で開かれた学術会議で、米国の研究者がスマートフォンなどを使ってゴキブリを自在に動かせるキットを発表した。誰でも手軽に生きた本物のゴキブリを操作できる――という斬新(?)な発想に、欧米メディアが注目しているようだ。

英放送局BBCによると、このキットを開発したのは、米ミシガン州で子ども向けの学習教材を作っている研究所「バックヤード・ブレインズ」の研究者兼技術者、ティム・グレッグ博士。脳神経学者であると同時に電気工学にも精通している彼は、「子どもたちが神経科学に興味を持つことは重要」との考えから、ミシガン大学院生時代の仲間らと共に、手軽に学べる学習教材を開発する研究所を設立したという。

自身の技術と知識を活かし、教材作りをリードしているグレッグ博士。そして2年ほどかけて開発されたのが、話題のゴキブリを操れるキット"ロボローチ"だ。高校生を対象に「人間の脳がどのように働いているのかを学ぶ」ために開発したキットは、生きたゴキブリの背中に乗せる小さなもの。使用するには、ゴキブリの触角をキットに取り込む「麻酔をかけた短い手術」が必要というが、そうして"ロボ"になったゴキブリは、スマートフォンなどにインストールしたアプリの指示で、自在に向きを変えられるようになる。

操作できるようになる秘密は、キットから出る電気信号。電気信号を組み込んだ触角からゴキブリの脳にある神経細胞「ニューロン」に伝達させることにより、アプリでの操作が可能になる仕組みだという。グレッグ博士によれば、このような技術は「パーキンソン病治療に用いられてるのと同じ」だそうで、キットを通じて脳神経に興味を持たせたいと、まずは高校への普及を目論んでいる博士らは、現在資金調達サイト「KickStarter.com」にもロボローチを紹介し、本格的な生産を目指している。

その資金調達を始めたのと同時に、6月10日から14日の日程で英エジンバラで開かれた「TEDGlobal 2013」という学術会議上、ロボローチの開発を発表したグレッグ博士。欧米メディアでも広く紹介されるなど、ロボローチの注目度は抜群のようだが、全てが肯定的な意見というわけでもないようだ。

BBCの取材にRSPCA(英王立動物虐待防止協会)は、ロボローチについて「子どもたちに昆虫の"分解"を奨励するのは不適当」とコメント。改造を施すような方法を取らなくても「昆虫の学習を助ける魅力的な研究はすでに多くある」として、ロボローチに対して否定的な見解を示している。

ただ、6月10日から始まった「KickStarter.com」上での資金調達は、目標額の1万ドル(約95万円)に対し、16日時点で約6,887ドル(約65万円)と順調に推移。キットの本格生産に向け、世間から小さくない期待も集めているようだ。

コメント

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先進国が軍事利用するわけ無いと思うかもしれないけど、もっと使いやすくなってしまってそれがイスラム過激派辺りに流れたりすれば、この間のような少女自爆テロが増える未来の可能性もあるので怖い

ゴキブリ操作…テラフォーマー計画の準備段階か?

テロが増えるだけ、そして救助に使う。。

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